2026年10月3日、阪神が2年連続のリーグ優勝を決めました。139試合を終えて77勝60敗2分、勝率.562。2位の巨人(76勝64敗3分、勝率.543)が最終戦に敗れ、優勝が決まりました。
投手力の安定やクリーンアップの強力さは、すでにあちこちで語られているはず。まごのてデータでは、少し角度を変えて「先制」の数字を見てみます。先日書いたソフトバンクの記事では「先制されても返す強さ」を取り上げましたが、阪神はちょうどその逆でした。
そもそも、先に点を取られない
2026年シーズン、阪神が相手に先制点を許した試合は139試合中58試合(41.7%)。これは12球団で最少です。2位の中日は65試合(45.5%)、ソフトバンクは66試合(46.5%)。いちばん多いヤクルトは84試合(59.6%)で、阪神とは26試合も差があります。

逆に、阪神が先に点を取った試合は81試合で12球団最多(2位は日本ハム・中日の77試合)。そのうち初回に先制した試合が40試合あり、これも最多です(2位は日本ハムの35試合)。試合を通じて一度もリードされなかった試合も53試合で、2位のソフトバンク・巨人(48試合)を5試合上回っています。
面白いのは、先制した試合の勝率そのものは、他の上位チームと大きくは変わらないことです。阪神は81試合で59勝22敗(勝率.728)。ソフトバンクは.747、巨人と西武は.736で、むしろ少し下です。阪神の強さは「先制したあとの勝ち方」というより、先制できる回数が多く、先制を許す回数が少ないところにありました。
先発が、先に点をやらない
先制を許さない背景には、先発投手の安定があります。阪神の先発防御率は2.69で12球団最少(2位は西武の2.79)。1試合で5失点以上した試合も29試合で最少でした(2位は巨人の31試合)。
個人で目に留まったのが髙橋遥人投手です。今季は23試合に先発して16勝3敗、防御率1.87。その23試合で阪神が先制を許したのは、わずか5試合でした。先発した日に先制を許した割合は21.7%で、今季15試合以上先発した投手53人の中で最も低い数字です。そして2位も同じ阪神の大竹耕太郎投手(17先発のうち5試合、29.4%)でした。
(「先発した日に先制を許したか」で数えているので、先発が降板したあとに先制された試合も含みます。)
先制を許すと、やはり苦しい
ここまで読むと隙がないように見えますが、数字は正直です。先制を許した58試合の成績は18勝38敗2分(勝率.321)。ソフトバンクの35勝29敗2分(勝率.547)が12球団で唯一の5割超えで、阪神の.321は12球団で6番目です。先制された試合を勝つのはどのチームでも難しく、ソフトバンクが飛び抜けている、というのが実際のところです。
この「先制された試合」だけを抜き出して時系列に並べると、ちょうど今の阪神にはこんな並びがありました。
- 8月21日:勝ち
- 8月25日〜9月19日:11連敗
- 10月1日:引き分け
- 10月3日:敗戦
勝って優勝を決められなかったこの日も含め、先制された試合に限ると8月21日を最後に勝ちがなく、13試合続いています。

(間に「先制されなかった試合」が挟まっていても、先制された試合だけを抜き出して数えています。実際の日程上で完全に連続していたわけではありません。)
それでも優勝できたのは、先制を許す試合そのものが少なかったから、とも言えそうです。
まとめ
先に点を取って逃げ切る阪神。先に点を取られても、ひっくり返してしまうソフトバンク。
クライマックスシリーズも待つ中でまだまだ気が早い話ですが、もし日本シリーズでこの2チームが顔を合わせたら、「先制を許さず、先制が得意なチーム」と「先制はされるけど、逆転が得意なチーム」のホコタテ対決になるのかもしれません。今から楽しみです。
(注)「先制」は、その試合で最初に得点を挙げた側のことです。勝率は引き分けを除いて計算しています。
集計は2026年10月3日時点(シーズン全143試合中、阪神は139試合)のものです。