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📊 データ記事

イニングを縦に持つことで、データが輝き出す-イニング別データページの使い方①

記者証をつけたブンタがホワイトボードの前で解説している、使い方講座のイメージ

Excelで何らかのデータを管理しようとしたことがある方なら、「このデータを、どういう形の表で持とうか」と悩まれたことがあると思います。

たとえば、試合ごとに「1回、2回、3回…」と、イニングを横に並べた表。回ごとの合計を見たいときは、この形がぴったりです。一番下に合計の行を置けば、どの回に点が集まっているかが分かります。

ところが、各イニングに「先頭打者は誰で、どうなったか」「始まった時点で何点差だったか」まで持たせようとすると、1回分だけで列が何本も増えて、9回分でその9倍になります。しかも「先頭打者が出塁した回だけを、1回から9回までまたいで数えたい」となると、9組の列それぞれに条件を書いて、足し合わせることになります。同じ種類の列が、横にずらっと並んでいるからです。

そこで、その「1回、2回、3回…」を「回」という1つの列にして、行として縦に並べてみます。1つのイニングが1行になると、あとは「絞る」だけ。フィルターやピボットテーブルがぐっと使いやすくなる、あの感覚です。まごのてデータの「イニング別データ」は、それをやっているページです。

「試合別イニングスコア」と対をなすページ

チームページには、すでに紹介した「試合別イニングスコア」があります。こちらは1試合が1行で、1回から延長までが横に並ぶ形。一番下には回ごとの合計が出て、序盤・中盤・終盤の合計列もあり、試合の流れや、どの回に点が集まるかを一覧で眺めるのに向いています。

今回の「イニング別データ」は、同じ試合のデータを縦に持ったもの。どちらがいい、どちらが上、というわけではなく、回ごとの合計を眺めるなら横、回をまたいで条件で拾うなら縦、という対の関係です。

1イニングが1行になっている

チームのナビから「イニング別データ」を開くと、1行が1イニングになっています。1試合が9行(延長なら12行まで)です。行には、日付・相手・球場・結果に続けて、そのイニングが始まった時点の得点・失点・点差、そして回と、その回の得点が並びます。

たとえば9月26日の阪神のDeNA戦(○8-3)は、こう並びます。

回 開始時点の点差 阪神の得点
1 0 2
2 +2 0
3 +2 0
4 +2 1
5 0 0
6 0 4
7 +4 1
8 +5 0
9 +5 0

横に並べたランニングスコアでは、「5回の頭は同点だった」ことは足し算をしないと分かりません。縦に持つと、その回が始まったときの状況が、その回の結果と同じ行に載っています。「そのイニングで何が起こったのか」を、1行で読めるわけです。

イニング別データページの画面。2026年9月26日のDeNA戦が、1回から9回まで1イニング1行で縦に並んでいる
1試合が9行になる。5回の開始時点は3-3の同点で、6回に4点が入っている

先頭打者が出ると、どれくらい点が入る?

野球には、先頭打者が出塁するとその回に点が入りやすい、長打ならなおさら、という話があります。まごのてデータには、その回の先頭打者の結果と、その回の得点が同じ行に載っています。試しに、2026年の12球団の全攻撃イニング(14,727イニング)を、先頭打者の結果ごとに数えてみました。

先頭打者の結果 イニング数 得点が入った割合
単打 2,342 36.5%
四球・死球 1,046 38.8%
二塁打 526 57.0%
三塁打 51 82.4%
本塁打 353 100.0%
凡退 10,271 13.1%
全イニング 14,727 22.8%

先頭が凡退した回に点が入る割合は13.1%。単打や四球で出ると、その約3倍の3割台後半になります。二塁打だと57.0%、三塁打だと82.4%まで上がります(三塁打は51イニングと少ないので、参考程度に)。本塁打は、先頭打者が打てばその1点が必ず入るので、当然100%です。

(失策や野選などで出塁した138イニングは、この表から省いています)

先頭打者が出塁した回だけを、全イニングからまたいで数える

では、阪神はどうでしょうか。このページには「先頭打者」というグループがあり、その回の先頭打者、打席結果、出塁したかどうかが載っています。ここで「出塁」の列を切り替えるだけで、阪神の2026年の全イニングを、こう分けられます。

阪神・2026年の全イニング イニング数 得点 1イニングあたり 得点が入った割合
すべて 1,213 502 0.414 24.2%
先頭打者が出塁 380 306 0.805 44.5%
先頭打者が出塁せず 833 196 0.235 15.0%

先頭打者が出塁した回は1イニングあたり0.805点で、出塁しなかった回(0.235点)の約3.4倍。得点が入った割合は、44.5%と15.0%でした。1回から9回(延長を含む)までをまたいだ数字が、列のフィルターを1回切り替えただけで、表の上の集計行にそのまま出ます。

横に並べた形だと、9組の列にそれぞれ条件を書いて足し合わせることになります。縦に持っていると、絞るだけで済みます。これが、縦に持つうれしさです。

なお、ここでいう「出塁」に、失策で出た場合は入りません(別の「敵失」の列に入ります)。

イニング別データページの集計行。先頭打者の出塁を有りで絞り込み、380件・306得点・得点÷攻撃イニング0.805と表示されている
「出塁=有り」に絞るだけで、全イニングをまたいだ集計行が出る(出塁した回だけなので、先頭打者の打率・出塁率は1.000になる)

さらに「回」でも絞れる

条件は重ねられます。「回」の列のフィルターに 1 と入れると、阪神の1回だけが並びます。1回は136イニングで、1イニングあたり0.618点。ここに「出塁」の絞り込みを重ねると、先頭打者が出塁した1回は48イニングで1.042点、出塁しなかった1回は88イニングで0.386点でした。

条件を足すたびに、集計行がそのまま追いかけてきます。

そんな中で、近本光司選手の1回

先頭打者の出塁が、それだけ点につながるとすると、1回の先頭に立つ打者は大事な役です。阪神の1回の先頭は、2026年は83試合で近本光司選手でした。そのうち36試合で、安打か四球・死球で出塁しています(43.4%)。

12球団で、1回の先頭打者に40試合以上立った選手は13人います(全12球団から1人以上)。同じ条件で出塁した割合を並べると、近本の43.4%が最も高く、2位は38.9%でした(12球団全体の1回先頭は、1,650イニングで27.9%)。

回を1に絞ったまま「先頭打者」の列を出すと、その回の先頭打者の名前と打席結果が、試合順に縦へ並びます。9月の阪神の1回は、こうなっていました。

日付 相手 先頭打者の結果 阪神の1回の得点
9/21 DeNA 近本光司・投手内野安打 1
9/22 ヤクルト 近本光司・中前安打 4
9/23 ヤクルト 近本光司・四球 0
9/25 DeNA 近本光司・右越え二塁打 0
9/26 DeNA 近本光司・右翼線二塁打 2

9月21日から26日まで、5試合連続で、1回の先頭で近本光司選手が出塁しています(9/24は試合なし)。前の9/20は二ゴロでした。縦に持つと、こういう「連続」が目で追えます。

イニング別データページの画面。1回だけに絞り、先頭打者の列に近本光司の名前と打席結果、出塁の✓が縦に並んでいる
9月21日〜26日の5試合、1回の先頭で近本光司が出塁している(9/24は試合なし)

攻撃と守備を入れ替えられる

表の上の「攻守切替」を押すと、同じ表が守備側(相手の攻撃)になります。自分たちが点を取った回だけでなく、点を取られた回も、同じ作りで縦に並べて絞れます。

次回は

今回は「回」と「先頭打者」の2つで絞りました。このページには、ほかにも表示列を切り替えて使える列があります。「連続」を数える列(本塁打なしが何回続いているか、など)、回の頭の投手と継投、その回の打席数・安打・四球・三振。次回は、これらを使って「どんな回に点が入るのか」を探してみます。

※集計は2026年9月26日時点、レギュラーシーズンのものです

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