Excelで何らかのデータを管理しようとしたことがある方なら、「このデータを、どういう形の表で持とうか」と悩まれたことがあると思います。
たとえば、試合ごとに「1回、2回、3回…」と、イニングを横に並べた表。回ごとの合計を見たいときは、この形がぴったりです。一番下に合計の行を置けば、どの回に点が集まっているかが分かります。
ところが、各イニングに「先頭打者は誰で、どうなったか」「始まった時点で何点差だったか」まで持たせようとすると、1回分だけで列が何本も増えて、9回分でその9倍になります。しかも「先頭打者が出塁した回だけを、1回から9回までまたいで数えたい」となると、9組の列それぞれに条件を書いて、足し合わせることになります。同じ種類の列が、横にずらっと並んでいるからです。
そこで、その「1回、2回、3回…」を「回」という1つの列にして、行として縦に並べてみます。1つのイニングが1行になると、あとは「絞る」だけ。フィルターやピボットテーブルがぐっと使いやすくなる、あの感覚です。まごのてデータの「イニング別データ」は、それをやっているページです。
「試合別イニングスコア」と対をなすページ
チームページには、すでに紹介した「試合別イニングスコア」があります。こちらは1試合が1行で、1回から延長までが横に並ぶ形。一番下には回ごとの合計が出て、序盤・中盤・終盤の合計列もあり、試合の流れや、どの回に点が集まるかを一覧で眺めるのに向いています。
今回の「イニング別データ」は、同じ試合のデータを縦に持ったもの。どちらがいい、どちらが上、というわけではなく、回ごとの合計を眺めるなら横、回をまたいで条件で拾うなら縦、という対の関係です。
1イニングが1行になっている
チームのナビから「イニング別データ」を開くと、1行が1イニングになっています。1試合が9行(延長なら12行まで)です。行には、日付・相手・球場・結果に続けて、そのイニングが始まった時点の得点・失点・点差、そして回と、その回の得点が並びます。
たとえば9月26日の阪神のDeNA戦(○8-3)は、こう並びます。
| 回 | 開始時点の点差 | 阪神の得点 |
|---|---|---|
| 1 | 0 | 2 |
| 2 | +2 | 0 |
| 3 | +2 | 0 |
| 4 | +2 | 1 |
| 5 | 0 | 0 |
| 6 | 0 | 4 |
| 7 | +4 | 1 |
| 8 | +5 | 0 |
| 9 | +5 | 0 |
横に並べたランニングスコアでは、「5回の頭は同点だった」ことは足し算をしないと分かりません。縦に持つと、その回が始まったときの状況が、その回の結果と同じ行に載っています。「そのイニングで何が起こったのか」を、1行で読めるわけです。

先頭打者が出ると、どれくらい点が入る?
野球には、先頭打者が出塁するとその回に点が入りやすい、長打ならなおさら、という話があります。まごのてデータには、その回の先頭打者の結果と、その回の得点が同じ行に載っています。試しに、2026年の12球団の全攻撃イニング(14,727イニング)を、先頭打者の結果ごとに数えてみました。
| 先頭打者の結果 | イニング数 | 得点が入った割合 |
|---|---|---|
| 単打 | 2,342 | 36.5% |
| 四球・死球 | 1,046 | 38.8% |
| 二塁打 | 526 | 57.0% |
| 三塁打 | 51 | 82.4% |
| 本塁打 | 353 | 100.0% |
| 凡退 | 10,271 | 13.1% |
| 全イニング | 14,727 | 22.8% |
先頭が凡退した回に点が入る割合は13.1%。単打や四球で出ると、その約3倍の3割台後半になります。二塁打だと57.0%、三塁打だと82.4%まで上がります(三塁打は51イニングと少ないので、参考程度に)。本塁打は、先頭打者が打てばその1点が必ず入るので、当然100%です。
(失策や野選などで出塁した138イニングは、この表から省いています)
先頭打者が出塁した回だけを、全イニングからまたいで数える
では、阪神はどうでしょうか。このページには「先頭打者」というグループがあり、その回の先頭打者、打席結果、出塁したかどうかが載っています。ここで「出塁」の列を切り替えるだけで、阪神の2026年の全イニングを、こう分けられます。
| 阪神・2026年の全イニング | イニング数 | 得点 | 1イニングあたり | 得点が入った割合 |
|---|---|---|---|---|
| すべて | 1,213 | 502 | 0.414 | 24.2% |
| 先頭打者が出塁 | 380 | 306 | 0.805 | 44.5% |
| 先頭打者が出塁せず | 833 | 196 | 0.235 | 15.0% |
先頭打者が出塁した回は1イニングあたり0.805点で、出塁しなかった回(0.235点)の約3.4倍。得点が入った割合は、44.5%と15.0%でした。1回から9回(延長を含む)までをまたいだ数字が、列のフィルターを1回切り替えただけで、表の上の集計行にそのまま出ます。
横に並べた形だと、9組の列にそれぞれ条件を書いて足し合わせることになります。縦に持っていると、絞るだけで済みます。これが、縦に持つうれしさです。
なお、ここでいう「出塁」に、失策で出た場合は入りません(別の「敵失」の列に入ります)。

さらに「回」でも絞れる
条件は重ねられます。「回」の列のフィルターに 1 と入れると、阪神の1回だけが並びます。1回は136イニングで、1イニングあたり0.618点。ここに「出塁」の絞り込みを重ねると、先頭打者が出塁した1回は48イニングで1.042点、出塁しなかった1回は88イニングで0.386点でした。
条件を足すたびに、集計行がそのまま追いかけてきます。
そんな中で、近本光司選手の1回
先頭打者の出塁が、それだけ点につながるとすると、1回の先頭に立つ打者は大事な役です。阪神の1回の先頭は、2026年は83試合で近本光司選手でした。そのうち36試合で、安打か四球・死球で出塁しています(43.4%)。
12球団で、1回の先頭打者に40試合以上立った選手は13人います(全12球団から1人以上)。同じ条件で出塁した割合を並べると、近本の43.4%が最も高く、2位は38.9%でした(12球団全体の1回先頭は、1,650イニングで27.9%)。
回を1に絞ったまま「先頭打者」の列を出すと、その回の先頭打者の名前と打席結果が、試合順に縦へ並びます。9月の阪神の1回は、こうなっていました。
| 日付 | 相手 | 先頭打者の結果 | 阪神の1回の得点 |
|---|---|---|---|
| 9/21 | DeNA | 近本光司・投手内野安打 | 1 |
| 9/22 | ヤクルト | 近本光司・中前安打 | 4 |
| 9/23 | ヤクルト | 近本光司・四球 | 0 |
| 9/25 | DeNA | 近本光司・右越え二塁打 | 0 |
| 9/26 | DeNA | 近本光司・右翼線二塁打 | 2 |
9月21日から26日まで、5試合連続で、1回の先頭で近本光司選手が出塁しています(9/24は試合なし)。前の9/20は二ゴロでした。縦に持つと、こういう「連続」が目で追えます。

攻撃と守備を入れ替えられる
表の上の「攻守切替」を押すと、同じ表が守備側(相手の攻撃)になります。自分たちが点を取った回だけでなく、点を取られた回も、同じ作りで縦に並べて絞れます。
次回は
今回は「回」と「先頭打者」の2つで絞りました。このページには、ほかにも表示列を切り替えて使える列があります。「連続」を数える列(本塁打なしが何回続いているか、など)、回の頭の投手と継投、その回の打席数・安打・四球・三振。次回は、これらを使って「どんな回に点が入るのか」を探してみます。
※集計は2026年9月26日時点、レギュラーシーズンのものです